こんにちは。栖山 依夜(すやま いよ)です。
私は2024年にASD(自閉症・アスペルガー)の診断を受けています。
診断を受ける際、他の検査と同時にWAIS-IVを受けたことが、私にとっての大きな人生の転機となりました。
↓検査についての詳しい記事はこちらから↓
検査の結果、私はワーキングメモリーと処理速度の間に42の差がありました。
この差はディスクレパンシーとも呼ばれていて、得点差が15以上あると生きづらいといわれています。
長い間、得体の知れない「生きづらさ」を抱えてきた私ですが、
①得意を活かせる場所を見つけること
②メモを取ること
の2つを意識したことで、悩みをかなり改善することができました。
今回は、私の検査結果を基に、具体的な生きづらさと改善方法について詳しく紹介します。
WAISの得点差が大きいと「生きづらさ」が増す

WAISの検査には、大きく分けて4つの項目があります。
言語理解(VCI)
語彙力そのものや言葉で説明する力
知覚統合(PRI)
形を認識したり、先を見通したりする力
作動記憶(WMI)
耳からの情報を記憶し、頭で整理できる力
処理速度(PSI)
単純な作業を素早く、正確にできる力
これら4つの得点は、それぞれ100点を平均としています。
つまり、自分の得点が100点よりも上なのか下なのかを見ることで、自分の能力値がわかるという仕組みです。
この4つの得点の差は大きければ大きいほど、生きづらくなるとも言われています。
先述の通り、私の一番大きな差は42でした。
この数値だけでも、相当な生きづらさを抱えていたことがお分かりいただけるかと思います…。
筆者の検査結果

私の検査結果は以下のようになりました。
| 全検査知能 | 99 |
| 言語性 | 100 |
| 動作性 | 98 |
| 言語理解(VCI) | 109 |
| 知覚統合(PRI) | 89 |
| 作動記憶(WMI) | 85 |
| 処理速度(PSI) | 127 |
全体での平均が100となっているので、知能の方はかなり平均的です。
しかし、知覚統合(PRI)と処理速度(PSI)、作動記憶(WMI)の間に、かなりの差が生じています。
これは、「短時間で量をこなせるスキルはあるが、慣れるまでに時間がめちゃくちゃかかる」という状態になります。
作業をこなすこと自体は得意ですが、理解する工程に「難しさ」を感じることが多いのです。
発達障害の方には共感いただけるかと思いますが、作業の工程が増えるごとに、どんどん質が落ちていってしまいます。
数値としては笑えない結果になってしまいましたが、それまで抱えてきた「生きづらさ」が可視化されたことを考えると、本当に受けて良かったなと思っています。

検査結果を言語化することで、自分の苦手なことも見えてきますよ!
差が大きいって、具体的にどういうこと?

能力差は成長しても、大きく変化することはほとんどありません。
そのため、「差が大きい」と幼少期や学生時代から何らかの「困りごと」が出現している可能性が高いです。
私の結果を基に、差が大きいことでどういった問題が生じるのかを細かく書き出してみました。
知覚推理(PRI)が低いことで起こる特徴
知覚推理とは、簡単にいうと「形の認識」(知覚)と「先の見通し」(推理)ができる力のことです。
目で見た情報を上手く処理できるかが鍵になるのですが、私はこれが本当に苦手でした。
特に学生時代は算数の文章題が苦手で、「どの数値が必要なのか」「何を問われているのか」が全くわからず、苦戦していた記憶があります。
出来事を予測するのも苦手だったので、先が見えない状態に不安を感じることも多かったです。
「普通に考えてこうなるだろう」という想像も、そもそも「普通」が理解できていないので、常に行き当たりばったりの行動になっていました。
知覚推理(PRI)が低い人は、片付けや整理が苦手な方が多いのですが、私の場合は特に苦手だと感じたことはありませんでした。
どちらかというと、片付けたあとに「どこに何を片付けたかの記憶がない」ことで困ることが多かったです。
これは後述する作動記憶(WMI)の能力が関係していると考えられます。
作動記憶(WMI)が低いことで起こる特徴
作動記憶は、一時的に記憶しながら他の作業をする能力のことを指します。
この数値が低いと、指示内容を忘れたり、同じミスを繰り返したりという失敗をしやすいです。
85という4指標の中で一番低い点数を叩き出した私は、記憶力でたくさん苦労しました。
幼少期は、人の名前をすぐに覚えられたこと、出席番号順にクラスメイトの名前を言えたことから「記憶力のいい女」を自称していたのですが、悲しい結果になってしまいました。
おそらく、上記の記憶力は、ASD特有の限定された興味からきたものだったのだと思います。
特に、この能力の低さが発揮されたのが、カフェのアルバイトでした。
一度に複数のことを指示されると、パニックになって全部忘れてしまうのです。
臨機応変さと記憶力が求められるカフェの仕事は、ASDには明らかに不向きだったのでした。
「もしかして、覚えるの苦手?」と店長に苦笑いされたことは未だにトラウマになっています。

ミスマッチとはいえ、なかなかに辛い出来事でした…。
一般的なASDの結果はどうなっているのか?

ASDの方は、言語理解(VCI)と作動記憶(WMI)が高く、処理速度(PSI)が低い人が多いと言われています。
世間的なイメージでも、ASDの人は難しい言葉を使ったり、専門的な知識を持っていたりといった印象を持たれていることが多いですよね。
しかし、上記の特徴に当てはまらないASDも存在しています。それが、「視覚優位」と呼ばれるタイプです。
具体的には「知覚推理(PRI)」と「処理速度(PSI)」が高く、目で見た情報を処理するのが得意であるとされています。
私は処理速度こそ高いものの、知覚推理の得点は、平均よりも低い結果になりました。
位置的には「微妙な視覚優位型」という分類になりそうですね。
正直、ASDは処理速度が低い人が多いという情報を見た時、私は軽く絶望してしまいました。
「ただでさえ少数派で生きづらいASDなのに、そのASDの中でもさらにマイノリティなのか」と思ってしまったのです。
悲しいですが、何をどう頑張っても事実は変えられません。
せっかく高い能力を使わないのももったいないと、私は渋々、処理速度の能力を利用して生きていくことを決意しました。
高い処理速度(PSI)の活かし方と弱点のカバー方法

PSI(処理速度)が高いことで起こる特徴は、以下のようなものです。
①単純作業が得意
②書き写すのが得意
③課題を完了するのが早い
私の経験でいうと百ます計算、点つなぎなどが得意でした。フリック入力やタイピングもかなり早く、処理速度の強さがよく出ていたと思います。
現在、ブロガーとライター業をしている私ですが、処理速度の高さが仕事に活きていると感じることが増えました。
Webライターにとって、文字を打つ速さは仕事に直結します。1秒間に打てる文字が多ければ多いほど、時給単価は高くなりますよね。
ようやく得意なことが活きる仕事を見つけられた私ですが、まだまだ課題もあります。
それが「アイデアの保持力」です。
私はワーキングメモリーが低いので、せっかくアイデアを思いついても、すぐに忘れてしまうという致命的な欠点を持っています。
そんな時に頼るのが、メモの存在でした。
私はいつも、大きめのメモ帳とペンを机に置いておくようにし、とにかくアイデアを思いついたら殴り書きをするようにしています。
読書中でも考え事をしてしまうので、メモ帳を横に置いてから読み始めるようにしています。
これは、気が散りやすい人にかなりオススメの方法です。
この習慣をつけてからは、記憶力のなさに落ち込む回数が減りました。
処理速度凸なASDの私が買ってよかったものについては、こちらの記事でまとめています!
苦手よりも得意を伸ばすことが大事

結論として、どんな凹凸であっても苦手を直すより得意を伸ばしていくべきです。
私はWAISを受けるまで、他の人と比べて極端にできない自分に落ち込んでいました。
ただでさえ苦手な分野を、その分野が得意な人と比較して「ダメ人間」のレッテルを自分に貼っていたのです。自ら自己肯定感を下げに行っていますよね(笑)
苦手な分野を知り、得意分野でカバーすることで、私はかなり生きやすくなりました。
試行錯誤しながら色々と行動し、自分に合った方法を見つけられた時の感動は、他では味わえないものです。
何よりも、自分の力で「できた」という事実は大きな自信になります。
この記事が、どなたかの参考になれば幸いです。




