【当事者が教える】ASD受動型が生きづらい原因とすぐにできる対策5選

ASD

こんにちは。栖山 依夜(すやま いよ)です。

私は2024年にASD(自閉症・アスペルガー)の診断を受けています。

以前、ASDの受動型というタイプについて記事をまとめました。

この記事では、ASD受動型が生きづらいと感じてしまう原因と、その対処法についてまとめています。

「無理に人に合わせてしまう」「自分の意見が言えない」といった特徴を持つASD受動型さんは、自分を大切にすることが重要です。

すぐに実践できる具体的な行動を、いくつか紹介していますので、この記事を読めば、ASD受動型さんが生きやすくなるちょっとしたコツがわかります。

こんな人におすすめ!

◇自分はASD受動型かな?と思っている

◇他人に合わせすぎてしまって辛い

◇無理をしすぎて精神的に参ってしまったことがある

◇ASD受動型のことをもっと知りたい

自身が発達障害(ASD/ADHD)かどうかがわからない、検査を受けようか考えているという方は、こちらの記事もおすすめです。

ASD(自閉スペクトラム)には、大きく分けて、「積極奇異型」「受動型」「孤立型」の3タイプ、派生した「尊大型」「大仰型」2タイプの、計5タイプがあります。
筆者は「受動型」を自認していますが、これらは、医師から診断が下るものではありません。
タイプによって、言動や雰囲気が異なる場合も多いため、本文中の文章が必ずしも、全てのASDに当てはまるというわけではないことを、ご了承いただければと思います。

受動型が生きづらいのは「環境」が原因!?

ASD受動型の方が生きづらさを感じる原因として、「日本特有の環境」が挙げられます。

他人を変えることはほとんど不可能に近いもの。
発達障害の方はできる限り、自分が生きやすい環境を探すことが大切になってきます。

出る杭は打たれる環境

日本では、同調圧力が強く、出る杭は打たれることが多い環境にあります。

「困ったら助け合いましょう」と道徳の授業で習ってきたように、とにかく仲間意識を持つことが大切だと教えられてきた記憶がある方も多いと思います。

しかし、ASDの人は特性により、この日本特有の「足並みを揃える」が苦手な場合が多いです。
また、抽象的なことの理解が苦手なため、「暗黙の了解」がわかりにくいという面もあります。

競争をあまり好まず、コミュニケーションを何よりも大切にする日本では、こういったASDの特性は悪い影響を及ぼしてしまう可能性が非常に高いです。

そのため、ASDの人は、いつの間にか周囲から孤立している、ふとした発言で浮いてしまう、普通を追い求めすぎて疲れてしまうといった状態に陥りやすいのです。

「いい人」はカモにされやすい環境

ASD受動型の人は、意見や感情を表に出すことが苦手なため、ストレスを溜め込みやすいという特徴があります。

この特徴は、環境によっては体調を崩してしまうほどの悪影響を及ぼすことがあります。

最もわかりやすい例が、学校や会社などの集団生活です。

集団生活では足並みを揃えることに加えて、個々の意見を求められる機会が数多くあります。
学生時代には、グループでの発表が苦手だったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

自分の意見を言わなくても進んでいく授業とは違い、社会人になると、自分で「できるもの・できないもの」を取捨選択して仕事を進めていく必要が出てきます。

このとき、「断れない」「意見が言えない」という特性が影響するとどうなってしまうのか。
それは、利用されてしまうということです。

ASD受動型の人は、「嫌われるのが怖い」「孤立したくない」といった思いから、自分を押し殺して、無理をしてしまいやすいということに注意する必要があります。

依夜
依夜

ASDの人にとって、日本の閉鎖的な環境は、かなりハードルが高いもの。
悲しいことに、日本には、ASDが生きづらい要因が揃っているのです。

私も、周囲から浮かないように毎日必死に生きていましたが、本当の自分を隠して日々を過ごすのは、かなり苦しかったです。

ASD受動型が注意すべきことは何なのか?

ASD受動型の人は、優しい人、断らない人といった第一印象を持たれがちです。
そのため、周囲の人との付き合い方を考えておくことが大切になります。

特に、以下のような問題が生じやすいため、注意が必要です。

・無理をして生じたストレスによる二次障害

・利用されるリスク

・悪意ある人に騙されるリスク

私の経験上、一方的に尽くしたとしても、何も返ってこないことが多かったです。
それどころか、お礼も言わずにさらに利用しようとしてくる人もいました。

できる範囲、許せる範囲を作る、ある程度の範囲を超えた場合は断るなど、自分の基準を設けておくことが大切です。

私は、とっさに振られると勢いで引き受けてしまうことがあったので、「断るための言葉」をシチュエーション別などで考えて、事前に断る練習をしていました。

臨機応変に動ける自分を目指すのではなく、今できる対策を一つずつやるというやり方が、私にはあっていたように思います。

依夜
依夜

ASD受動型が生きやすくなるための5つの方法

自分を押し殺すばかりでは、いずれ精神のバランスを崩してしまいます。

それでは、どんな行動を取れば良いのでしょうか?

ここでは、私が実際に試した方法の中で、効果があった「ASD受動型さんが生きやすくなる方法」を5つ紹介したいと思います。

自分と向き合ってみる

ASD受動型の人は、自分が今抱えているモヤモヤを上手く言語化できていない可能性が高いです。
そんな時に効果的なのが、ジャーナリングです。

1つの質問に対して「なぜそう思うのか?」を繰り返していくと、自分でも知らなかった答えに辿り着くことがあります。

最近は、インターネットでも「自己分析 質問」と調べると、自分を深掘りできる質問集がたくさんあります。
それらを活用して、ノートなどに書き出してみるのも良いでしょう。

自分と向き合うことで、「私は自分のことをよく知っている!」という自信にも繋がり、軸の安定にも繋がります。

実際に行動してみる

ある程度、自分のやりたいことや好きなことが明確になってきたら、思い切って行動することをオススメします。

ASDの方は自分のペースで行動できることが、何よりも安心感に繋がります。

私の場合は、電車の中で本を読んだり、知らない道を散歩してみたりしただけでも、「普段やらないことをした!」という達成感を得ることができました。

慣れてきたら、次は「〜したい!」という気持ちを誰かに伝えてみることもオススメです。

成功体験を重ねていくと、自己肯定感に繋がります。
「私はできるんだ!」の気持ちを積み重ねていくことが大切です。

ストレス発散方法を見つける

ASDの特性として、脳内で思考が止まらなくなってしまうということがあります。

瞑想やヨガにチャレンジしてみても、脳内がガヤガヤして全く心が落ち着かない、なんてことも。
(私は無音がダメで適度な音がないと集中できませんでした)

そのため、運動などのできるだけ頭を使わない方法を取り入れるのが大切です。

私の場合は、運動が苦手だったので、一人カラオケに行ってフリータイムで歌うことが多かったです。

あまりにもストレスがひどかった時には、枕に顔を埋めて叫んだこともありました。
最近では、叫ぶ専用の壺のおもちゃなどもありますね。

やり切った後に、適度に身体が疲れるような方法を探してみると良いでしょう。

発信活動を始めてみる

数々の方法を試してきて、私が一番効果を感じたのが「発信活動」でした。

SNS疲れという言葉があるように、デメリットばかりが取り上げられがちなSNSですが、メリットもあります。
それは、仲間と出会えるということです。

性別や年代がバラバラな人たちと繋がることができるのがSNSの醍醐味でもあります。

本来、出会えるはずのなかった人たちと交流することで、自分の視野が広がったり、仲間がいるという自信に繋がったりといった効果があります。

応援してくれる人の存在は、生きる支えにもなります。

発信する媒体として、私がおすすめするのはnoteです。
他のSNSと比べて、文章を書くのが好きな人が集まっている印象で、コメント欄でも悪口や暴言を吐くような人を見かけたことがありません。

ASDについて発信している方も沢山いるので、読んでいるだけでもとても勉強になります。
私も、日々発信しているので、よければ覗きに来てください。

依夜
依夜

カウンセリングを受ける

なかなか上手くいかないときは、専門家の力を借りてみるのも1つの方法です。

カウンセリングと聞くと、敷居が高そうなイメージを持つかもしれませんが、全くそんなことはありません。
長年悩んでいることでも、密かに改善したいと思っていることでも、何を話しても大丈夫です。

話がまとまらなくても、泣いてしまってもOKなのがカウンセリングの良いところでもあります。

私もメンタルクリニックでのカウンセリングを受けていた経験がありますが、知らない人に話を聞いてもらえるというだけでも、想像以上に心が軽くなる実感がありました。

対話やワークを通して、思考のクセや、言語化できないモヤモヤの原因がわかることがあります。
お金はかかりますが、学んだことは一生モノになります。

「今まで沢山我慢してきたことがある」というASD受動型さんには、ぜひ一度検討してみてほしいです。

治すのではなく、受け入れよう

ASDは病気ではなく、生まれつきの脳の働き方の違いといわれています。
親の育て方が影響するといったことも、一切ありません。

止まり切った身長を伸ばせ!と言われて、できる人がどれだけいるでしょうか。
大金を払って、手術をすれば可能かもしれませんが、到底無理な話ですよね。

ASDも、同じなのです。

私は自分がASDと診断されるまで、頑張れば人並みになれるはずと思い込んで、必死に周りに追いつこうと無理をしていました。

アルバイト時代には、寝る間を惜しんで当日のシミュレーションをし、通勤中にはメモを見返しながら歩く生活を1年以上続けていました。

メモの量は人一倍なのに、いざやってみるとパニックで頭が真っ白。
実力は入ってきて1ヶ月の後輩以下でした。

人よりできていないことは誰から見ても明らかなのに、努力不足なのだと自分の出来の悪さを毎日責めていました。

努力しても、限界というものがあります。
必要なのは、「治す努力」ではなく「受け入れて前に進む努力」なのです。

私はこのことに気づくまでに、7年かかってしまいました。

この記事を読んでくれたあなたが、少しでも自分のことを好きになれる第一歩を踏み出せることを願っています。

栖山 依夜のプロフィール
この記事を書いた人
栖山 依夜

24歳のブロガー兼Webライター。
2024年にASDの診断を受けました。障害者手帳取得済み(精神3級)。
新卒で入った会社を適応障害で半年で辞め、夢だったブロガーの道を本気で目指すことに決めました。
ASDで悩む、誰かの力になりたい。noteもやってます。

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